ついに迷走を始めました

ブログ書くんだってよ 

bump of chicken25周年めでたい。

2/11(昨日の日付間違ってた)

日記にすると勉強したことがまとまって良いかもしれない。

 

・アルバイト

現代マクロ経済学講義4章

労働市場の摩擦を考慮したRBCモデル。サーチ理論を導入しましょう。懐かしのベバレッジカーブ出現(UoEの教授がベバレッジ推しだった)。結果として直接的に構造調整圧力のない部門であっても縮小、すなわち雇用の削減、を行う必要がある。総需要が一定で部門間の需要が変化するだけでこういう事が起こるので、各部門ごとに注目して政策打たないとだめだよね、総需要だけ考えちゃだめだよねというインプリケーション。面白い。あとこの本は割と理論パートの計算を省略するので式を追うのが大変。

 

Cunningham, C., Ederer, F., & Ma, S. (2021). Killer acquisitions. Journal of Political Economy, 129(3), 000-000.

https://www.journals.uchicago.edu/doi/10.1086/712506

面白すぎワロタ。

お話としては既存企業がベンチャーのような新しい企業のイノベーションで市場支配力が弱まることを考慮して先手を打って買収しちゃおう(これをkiller acquisitionという)というお話があるが本当か調べてみました!その結果どうやらUS pharmaceutical marketでその様な現象が確認されました。という流れ。示したいのは、買収された後にベンチャーで進んでたプロジェクトがそのまま継続されたのかそれとも殺されたのか。

 

前半の理論パートでは2段階の単純なゲームを考え4つのpropositionを示している。

1. 既存企業と合併される企業におけるreplacement effectとsynergy effectの規模に応じて買収企業は買収したプロジェクトを殺す(kill)するかそのまま続ける(continue)するか決める

2. 市場の企業数nが増えれば完全競争に近づき、買収企業が買収することで自分の企業内の類似製品を食ってしまう(cannibalization)ことで被る損も小さい。その結果、ベンチャーと比べての開発にかけられる費用の差も小さくなる。(逆に買収企業が独占企業ならベンチャーは大きな開発費用を出して開発したいが、独占企業はわざわざそんなことしたくない)

3. 買収企業の持っている製品の特許の期間が長いほど、買収企業とベンチャーのかけられる費用の差は大きくなる。特許の期間が長ければ、その分cannibalizationの影響もデカいのでね。

4.買収企業はベンチャーと研究開発の分野が被っている(overlap)しているほど又はシナジーがあるほど買収したい(conditional on replacement effect < synergy effect)

というpropositionの上で実証パートに入る。

 

実証部分では製薬業界のデータを使っている。

誘導系のパネルデータ分析。内生性にはIVではなく様々な固定効果を置くことで対処しているみたい。とにかく様々なパターンの固定効果を考えてそれぞれの結果が理論パートと整合的かどうかを調べている。IVがないとこういう地道な作業を繰り返して検証する必要があるのかな?基本的にはある時点tで薬iが継続中か否かの被説明変数とそれが同じ分野の企業に買収されてしかも買収後というダミー変数との関係を見ている。内生性について殆ど触れられていなかったのでそこが少し気になる。

 

色々やって分かったことはkiller acquisitionは存在してそうで、しかもそれが監視当局の閾値のギリギリ下くらいで行われていて、全買収の6%くらいがkiller acquisitionに該当しそうということ。

技術的には、固定効果を色々作ってロバストチェックする必要性と傾向スコアで重みづけした推定量を使うことで時変の特性をコントロールできるらしいということ。これは知らなかったし、guadalupe kuzmina and thomas(2012)がそういった手法を使っているらしいので次に読む論文はこれにする。

www.aeaweb.org

 

 

あとこの話は実はちょうど1年前に記事になっていたので情報の感度が低い。

もっと精進せねば。

www.nikkei.com