ついに迷走を始めました

ブログ書くんだってよ 

コーヒーと疲労に関する雑な分析

1.

期末試験がほとんど存在しなかったことに加えて、オンライン授業が多かったことから、前期の授業のほとんどが7月頭の時点で終了していた。そのため、7月から実質的な夏休みが始まった。

授業期間中は宿題やら予習やらでやることが決まっていて、否が応でもある程度整った生活リズムで行動できるが、夏休みはそうはいかない。たいていの場合、昼夜逆転し一日を無為に過ごしてしまった結果、その罪悪感だけが残って9月を迎えるというのが常である。そういうことは大方予想ができたし、貴重な3か月の夏休みを今年ことは意味のあるものにしたいという浅薄な意思の下、いわゆるルーティーンを作ろうとした。

 

大学には院生が使える部屋があって、そこに1人1つの椅子と机が与えられている。昨今の状況もあって、大学に来る人は少なく、加えて文系の大学院生というのは必ずしも大学に来る必要がないことから、院生部屋の使用率は見たところ5%以下という過疎の様相を呈していた。

元来、人とはなるべく会いたくない性としかし自宅にいては怠けてしまうという性質が夏休みルーティーン作成のインセンティブと合わさった結果、毎日健康院生部屋通い生活を敢行するに至った。

 

2.

何をするかといえば基本的に論文や教科書を読んで実装するくらいなので、ほとんど体を動かすこともない。1日中椅子に座っているだけなので、気分転換と集中力のためにコーヒーを常飲することにした。

非常にキツイ予算制約の下で効用を最大化する何種類かのコーヒーブランドを試してみたところ、ひとまずファミリーマートのアイスコーヒーが局所最適解として得られた。おそらく鞍点であるが、駅と大学の間で購入できるという点からも最適と思われた。

以前はコーヒーを飲むと謎の体調不良に陥っていたため、コーヒーが体質的に合わないのではないかという先入観があった。実際、コーヒーを飲んだ日は非常に集中できるのだが次の日の寝起きが良くないような気がしていた。

コーヒーを継続的に飲み続けているうちにその傾向は強まり、何日かすると体がだるく大学に行くのも億劫になってしまうほどだった。しかしそれでも、コーヒーを飲むことによる集中力は他の例えばエナジードリンクなどでは得られないものだったし、そもそもアイスコーヒーの味が好きであることから、止めるのは惜しいなとも思っていた。

そしてしばらくたってから、やはりこのジレンマを解消するべきだろうと思い始めるようになった。

 

3.

すなわち解くべき問題は、なぜコーヒーを継続的に飲むと疲労感が蓄積するのかということだった。

一週間のうち月曜日から大学に通い、院生部屋が閉室となる日曜日を除いて大学に行き院生部屋でコーヒーを飲む。継続的に飲んでいると木曜日くらいで疲労感がピークに達して金曜日には倦怠感で動けなくなる。コーヒーを飲むまではこういった傾向はなかったからおそらく原因はそこにあるだろうが、この因果関係をどう識別するのかが問題となった。

というのも、当然のように毎日大学に通っていれば日に日に疲れは蓄積していくし、多くの学生や社会人が経験するように、コーヒーの摂取に関係なく金曜日には一週間分の疲れがたまっているものである。加えて昨今の状況からも外出する機会は大きく減少し、そもそも出不精であることも相まって運動不足による体力低下は私の中の関心事となっていた。

そのため、金曜日の倦怠感は単なる1週間分の疲労蓄積とコーヒーによる効果の和であることが予想された。さてこのいわゆる分離識別の問題をどう解くべきか。

 

4.

七面倒くさくそして婉曲的に書いてきたが、解決策は簡単である。自分の体を使っていろいろ試してみればいいのである。コーヒーを飲んだ週と飲まなかった週ごとに疲労度合いを計測して、その差がどんなもんかを調べれば済む話である。残念ながらサンプルは私しかいないので、普段やるようなp値を出すような分析はできない。それでもなんらかの比較をしてみることにした。

週ごとの疲労度合いはその一週間のパフォーマンスに影響を与える。幸いなことに院生部屋にいる間はずっとiPadを開いているから、iPadに記録されているスクリーンタイムを用いればどれだけ研究していたかがわかる。これを一週間のパフォーマンスの指標として週ごとの疲労度合いの影響を計測しようというわけである。

そこで1週目にこれまで通りコーヒーを飲む生活を送り、2週目にコーヒーではなく(だいたい)同じ量の水を飲む生活を送る。その2週間でスクリーンタイムを比較する。仮に2週目にコーヒーによる影響が蓄積していたとしても2週間の差があれば、水だけの生活による真の影響の差はもっと大きいことが想定される。

ともかくこれで様子を見てみるとどうやら水のみの生活の方が体調が良いようだった。

コーヒーはやめた方がいいのかもしれないと思った。

 

5.

次に興味があるのは、なぜ水ではなくコーヒーだと疲労度合いが増すのかということだった。これが分かれば、コーヒーを飲んでいられるかもしれない。

これにもいくつか仮説があってカフェインが体質的に良くないのではないかとか脂質が問題なのではないかなど色々あった。その中で、最も有力と思われたのは脱水だった。同じ量の水とコーヒーを摂取しているだが、コーヒーを飲んだ時の方がトイレに行く頻度が高かった。実際、コーヒーには利尿作用があるからこれはもっともらしいと思われたし、小学校の頃の野球部の経験から脱水症状と疲労というのは関係することを経験的に知っていた。

そこで3週目と4週目にかけて今度はコーヒーだけ飲む週とコーヒー+水を飲む週を用意した。これで同様にスクリーンタイムを計測してみて、その差がどんなもんかを見てみた。すると水を一緒に飲んだ週の方がパフォーマンスは良いようだった。

本当かどうか怪しかったので、つい先週の5週目でコーヒーに合わせてスポーツ飲料を飲むことにしたがやはりその傾向は同じで、金曜日に感じるような疲労感は姿を消した。

なるほど、コーヒーによる疲労の原因は脱水による説があるのか、ということが分かった。そして解決策として一緒に水分を摂取すればコーヒーを飲んでいいらしい。

 

6.

それでも懐疑主義的な人はコーヒーの脱水の影響がどの程度なのかということに興味があるかもしれない。2週間しか実験していないのでその結果も怪しいものである。

そこでついに今週となった6週目に今度は2日間コーヒーとアクエリアスを飲んで3日目(水曜日)から水とコーヒーを飲む生活をしようとしてみた。もし脱水という仮説が正しいなら、おそらくコーヒーだけの週よりはパフォーマンスが良いが、コーヒー+水だけの週よりはパフォーマンスが悪くなるはずである。

 

 

 

 

7.

果たしてその仮説は実証されなかった。

 

本日、木曜日における体調は史上最悪のものであり倦怠感で家から出られなくなってしまった。なにもしたくない。すべてが面倒になってしまった。実験は中止である。

 

しかしそれでも、何かしておきたいなという気持ちから個人的な実験であったこの結果をブログに残しておくことにした。

 

あまり自分の体を使って遊ぶのも良くないと思った。

 

 

8.(追記)

書いていて思ったが、おそらく自分の体を使って実験する場合の問題点は実験の計画者と被験者が同じであるため、無意識下で望む結果を実現している可能性があるなと思った。その意味でも雑な分析である。やらないよりはマシだがやらなくてもよかった分析の筆頭である。

 

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