ついに迷走を始めました

ブログ書くんだってよ 

マクロ経済学から逃げるな

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Propensity score reweighting estimatorなるものを知るためGuadalupe Kuzmina and Thomas (2012)を読んだところPropensity scoreって何だっけ(哲学)になったので復習のため星野(2009)に戻る。発想はANCOVAみたいに交絡因子を抑えたいのでどうするのかという話。因果推論はここをどう上手く扱うかみたいなところが大事らしい。IVやFixed EffectやPropensity score matchingに代わる手法かと思いきや随分昔からあるらしいので単純に無知なだけだった。

 

・Guadalupe Kuzmina and Thomas (2012)

www.aeaweb.org

 

論文はmultinational subsidariesがdomestic firmsよりも業績が良いのは前者が技術移転や新製品の導入に国内企業と比べて相対的に優位なテクノロジーを持っているからだという説が一般的だが、一般的に(89% of FDI flows in developed countries)multinational subsidariesはdomestic firmsの買収によって達成されるので、そもそもある国で生産性の高い企業が買収されて外資になった結果domestic firmsと比べてパフォーマンスが良いんじゃねという説を主張している。つまり交絡因子として買収された企業の生産性が存在するんじゃないかという話。これをコントロールしてもなお、multinational subsidariesはdomestic firmsにoutperformしているのかを検証している。

ちなみに買収というと語弊があって論文ではforeign ownershipが50%を超えることをacquisitionとしている。

 

前半は理論パート。後半が実証パートで今回知りたかったのは先述のPropensity score reweighting estimatorなるもの。

前提として以下のような買収がテクノロジー(イノベーション)に与える影響を推定したい。

f:id:HaruoEd:20210214012103j:plain

ここでIは生産性向上イノベーション(productivity-enhancing innovation)の指標で、Fが1期前の買収ダミー。つまり前期に買収された企業iは次の期に生産性を向上させるようなイノベーションを起こすのかという話。前述のようにここで生産性の高い企業が買収されやすいという関係が想定されるのでこれをコントロールしたい。

Propensity score reweighting estimatorは初めにtreatmentを買収された企業、controlを買収されなかった企業とした上でそれらをプールして、傾向スコアpを過去の生産性、過去のlog sales growthなどといった過去の企業iの性質から推定する。そしてこの傾向スコアpでtreatmentに1/p,controlに1/(1-p)の重みをつけて上の式を推定する。やっていることは単純で生産性に応じてpで重みづけすることで固定効果のように生産性をコントロールしてしまおうという試み。

We will obtain the Average Treatment Effect (ATE) of acquisition on innovation in a specification like equation (6), using the weights derived fromthe propensity score (Rubin, 2001). Specifically, the weight for each treatedfirm is 1/p,and the weight for each controlfirm is1/(1−p).

 

じゃあFEと何が違うのかと言うとtime-varying characteristicsもコントロールできるらしい。

The propensity score reweighting estimator obtained by reweighting observations in equation(6), allows us to control not only for selection on time-invariant characteristics offirms (just likethe equal-weightedfixed effects regression), but also for time-varying characteristics through thepropensity score. The underlying assumption in the estimation is that, conditional on observ-able time-varying and any time-invariant characteristics that affect selection, treatment is random.

(conditional on observ-able time-varying が少し気になるが)

誘導形分析だと様々なFEのパターンを試す必要があるのでその中でこの傾向スコア重みづけというのを使ってみるのもありかもしれない。

Rではplm packageにweightを指定出来るのでそこで傾向スコアを重みとして指定すれば推定できるんだろうな(と思っているが合っているかは知らん)

 

 

現代マクロ経済学講義5章読まなきゃ..

 

あと、Apexやりすぎたので消しました。